重要文化財の二階から外をのぞいて
飛び降りても死ねないな、なんて思ったのは
わたしだけではないはずです。
部屋の中にはそういった
因子たちがたくさんいます。
わたしは見ました。
なつはあつい
ふゆはさむい
えあこんはない
ひろい集めてかけら、前髪留めにして。
でも
でも
でも
耳鳴りはとめられなくて。
「明るいうちに死ぬの、まったくロマンがないですな」
なんてわたしの中のおじいさんが言うので
そのまま部屋に鍵をかけました。
今日のお昼過ぎです。